第3話 自動運転の概要~レベル0からレベル4まで~
こんばんは。営業の野本です。
年末年始特別編。第3話と4話は、日産セレナに搭載され注目を浴びている自動運転を取り上げます。
第3話では、自動運転を知るうえで必ず登場する、レベル0からレベル4までの自動運転の定義を取り上げ、今現在話題になっている車両がどのレベルに相当するのかを紹介したいと思います。そして、最後の第4話では、自動運転を実現するための技術について紹介します。
それでは、まずは自動運転の定義です。
自動運転には、運転をどの程度システムに任せるかに応じて、レベル0のいわゆる手動での運転から、レベル4の完全自動運転まで5段階に区分されています。
【自動運転のレベル】
レベル0から2までは、運転の責任はドライバーが負います。
そのため、ステアリングから手を放して一定時間経過するとアラームが鳴るなど、常にドライバーに注意を促します。一方、レベル3から運転の責任は、自動運転システムが負うことになります。そのため、レベル2とレベル3の間には、実現のための大きな壁が存在します。
レベル0
人間が常に運転操作(アクセル、ブレーキ、ステアリング)をおこなう。
運転操作に直接関与しない、危険衝突回避アラーム等は、レベル0に含まれます。
レベル1
運転操作のいずれかを自動化。
例えば、衝突安全ブレーキや、先行車を追従するアダプティブクルーズ コントロール(ACC)などです。
レベル2
運転操作の複数を自動化。
例えば、レベル1のACCにレーンキープアシストが加わるとレベル2になります。
レベル3
緊急事態を除き、運転操作はすべて自動でおこなう。
自動運転中にドライバーは他の作業をしてもよく、故障や特殊な路面等、自動運転が困難な場合のみドライバーが操作します。
レベル4
いかなる場合でもシステムが運転操作をおこなう。
【現在の自動運転車の状況】
現在、市販されているクルマの自動運転システムは、レベル1とレベル2になります。
例えば、自動ブレーキシステム。図1aのスバルインプレッサ等に搭載されているアイサイトが有名ですね。このシステムは、衝突の危険がある場合、ドライバーに注意を促した後、回避操作がなければブレーキ制御を自動でおこなうというものです。これは、先ほどの定義に照らし合わせると、レベル1に相当することが分かります。
他には、冒頭でも紹介した日産セレナ(図1b参照)。このクルマに搭載され話題となった自動運転「プロパイロット」は、高速道路や自動車専用道路において単一レーンでの自動走行が可能です。この時、今までのクルーズコントロールに加え、ステアリング操作を自動で行うことにより、走行レーンを維持します。これは、レベル2に相当します。
レベル3以降は、自動運転システムが運転の責任を負うため、技術的な難易度が飛躍的に高くなります。かつ技術以外にも、保険制度や法規制など環境面での整備も必要となるため、実現までの道のりは大変困難になることが予想されています。
しかし、各企業ともに完全自動運転車を目指し開発を進めていて、例えばアメリカの IT企業グーグルは、図2aで紹介しているようなレベル4の自動運転車を開発しています。そのテスト車の総走行距離はすでに300万キロ、およそ地球70周分にも及ぶそうです。
また、一般道ではなく閉じられた環境、例えば鉱山や工事現場等で働く建設機械では、すでにレベル3,4に相当する完全自動運転が一部実用化されています。図2bに示すダンプは完全自動運転にて運行されています。
自動運転の定義については以上になります。
自動運転では、レベル2とレベル3の間に大きな壁があり、現在、市販車で最も高度なものがレベル2に相当し、レベル3を目指して開発中ということですね。
さて、明日は第4話です。年末年始特別編の最終回です。
お楽しみに!
出典:
図1
http://www.subaru.jp/impreza/impreza/index.html
http://www2.nissan.co.jp/SERENA/
図2
https://waymo.com/
http://www.komatsu.co.jp/CompanyInfo/profile/product_supports/