株式会社 アイ・アール・エス ~ インジェクタ再生洗浄サービス ~

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流体力学超入門その1

2013-12-26

アイ・アール・エスのせんむです。

書斎の片付けをしていたら、大学時代のノートが出てきました。

それらを見ていると、流体力学、熱力学、機械力学、材料力学、電磁気学など、やはり技術的なことについても、基本は大切だなと思いました。

そういえば、以前に製造業の開発職に就いていた頃、中堅の社員の方と流量の測定条件についてディスカッションしていた流れで、ベルヌーイの定理の話になりました。

そこでびっくりしたことに、「ベルヌーイって何?メーカーの名前か何か?」とあっけらかんと言われ、まがりなりにも開発職として長いキャリアをもつ方の発言に、衝撃を受けたことがあります。

ベルヌーイの式については、以前こちらでも触れていますが、流体を扱うときの基本になるものなので、その時はそれ以上深く話すことが出来ませんでした。。。

確かに、流体力学は入り方によってはとっつきが悪いので、ノートの端にいろいろと解説を書き込んで、けっこう苦労した形跡があります。(^_^;)

そこで今年は、あくまでざっくりにはなりますが、機会を見てこういった基本的なことをなるべく判りやすく解説していきたいと思います。

せっかくなので、まずは流体力学から、

 ・連続の式
オイラーの運動方程式
・ベルヌーイの式

の順に書こうかなと思いますが、一度だと多すぎるので、まず連続の式について、その導出をしていきます。

ちなみに、上の画像はその連続の式(2次元)ですが、これだけだとワケが判りませんね。(~_~;)
式に使われている変数の解説を書くと、

ですが、やはりワケが判りません。(T_T)

それではまず、考え方の基本を説明します。
下図のように、ある流れをすご~く拡大して、十分に小さい体積(微小体積)について考え、全体の流れは、それらの集合であると考える。これだけです。

なお、ラグランジュだとちょっと違いますが、そこは割愛します。

ここで、上図は3次元(立体)なので、簡略のために2次元(平面)について考えるようにします。

どうするか? は、下図のように、ペラペラの流れをイメージする です
下図のような、ペラペラのごく薄い(浅い)流れがあるとすれば、その一部の微小体積を取り出せば、ペラペラなので厚みが無視でき、xy平面の2次元として考えることが出来ます。


それでは、ここからが本番です。
この、2次元の微小体積(2次元なので本当は微小面積ですが)について、各辺の長さをdx、dyとします。

次に、ここへx方向(横方向)から流速u、y方向(縦方向)から流速vで、流体が流れ込むとします。

ここで、ある時間に流入する流体の体積は、入ってくる面積、流速、時間の積で、例えば、

断面積 1平方センチメートル の蛇口から、 流速 10cm/秒 で、 時間 5秒間 に出てくる水の量は、
 1x10x5=50cc

となるので、時間dtについて同じように考えると、

となります。

ちなみに、2次元は厚みがないので、入口の面積が無いんじゃないかと思いますが、それを言い出すと始まらないので、下図のように、厚み「1」があると考えると、結局は上図と同じ結果になります。

ここで、この流体の密度(単位体積あたりの質量)をρとし、簡略のため、この流体は非圧縮性流体、つまり、圧縮しても密度が変わらない流体だとします。

要するに、押しても引いても煮ても焼いても何やっても密度がρのまま変わらないという代物だったとします。

すると、単純に体積に密度を掛けると質量になるので、上図を流入する質量に書き直すと、

となります。本当にρが掛かっているだけですね。(゜_゜)

ここでひと段落なのでまとめると、
 ・流れの中のごく小さい一部分を抜き出して、
・簡略化のため2次元にして、
・さらに簡略化のため非圧縮性流体だとして、
・そこに流れ込む流体の質量を求めた。
ということです。

さて次に、微小体積から流出する質量を求めます。

まず、入口とは反対側(つまり、出口)でのx、y各方向の速度は、下図のようになります。

いきなり偏微分が出てくると焦りますが、これはもう決まりごとと思ってしまったほうが気が楽で、本当にざっくり説明すると、uやvが、dxやdy離れた場所で変化する量を偏微分で求めて、元のuやvに足したものです。(-_-;)

これから、先述と同じく流出する質量を求めると、下図のようになります。

これで、
 ・流入する質量
・流出する質量
が求まりましたが、長々とやってきましたがここがミソです。

一般的な力学では神様ともいうべき、 質量保存の法則 がありますが、これをこの微小体積に適用すると、

  流入する質量=流出する質量

というのが成立することになります。

逆にこれが成立しないと、流れの中に 四次元ポケット 的な空間があって、どんどん質量が吸い込まれるか、どんどん質量が発生するということになり、夢はありますがいろいろと大変です。

これを、流入する質量を左辺、流出する質量を右辺として式にすると、

となります。

この状態だとすごくややこしい式に見えますが、よく見てみると、実はいろいろ省略でき、下図のようになります。

これで、ようやく冒頭の連続の式が得られたということになります。

まとめると、
 ・連続の式は、流体における質量保存の法則を表したもので、
・微小体積における流入、流出質量のバランスとして得られる。
という感じです。

ちなみに、連続の式という言葉でピンとこないかも知れませんが、上記のように非圧縮流体だとして、 質量の保存 を 体積の保存 と置き換えて考えると、ちょっと判りやすいかなと思います。

下図のように、微小体積の箱の中に入ってくる体積と同じ体積が出ていくとします。
つまり、体積が保存している状態です。

この場合、最後の状態において箱の中は流体で充填されています。
よって連続です。

次に、下図のような状態、つまり、出て行く体積が入ってくる体積より大きいとします。

すると、最後の状態では、箱の中に流体が無い空間が発生することになります。
よって連続ではありません。

とまぁ、ややこしい式を見ると難しくなりますが、いくつかの前提条件の上でシンプルに考えると、普段目にしている現象を当てはめて考えることができるので、感覚的に判りやすいのではないかと思います。

以上、このような考え方を押さえておけば、以降の運動方程式やベルヌーイの式に入りやすいので、年明けにいきなりお腹いっぱいな内容になってしまいましたが、書いてみました。

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