株式会社 アイ・アール・エス ~ インジェクタ再生洗浄サービス ~

ガソリン・ディーゼルエンジン用インジェクター再生洗浄サービス

燃圧と噴射量と霧化(微粒化) その2

2013-12-26

こんばんは、だいひょうです。

ちょっと時間が出来たので、時間の許す限り書きます。

先日書いた「燃圧と噴射量と霧化(微粒化)その1」にイイねをたくさん頂きありがとうございました。 イイねが多く付いて、驚いています。イイねが付くと、正直嬉しいもんですね!

今日は、「燃圧と噴射量と霧化(微粒化) その2」として

「燃圧を上げるとなぜ霧化がよくなるのか?」

について書いていきたいと思います。

まず、燃圧と霧化の関係を記載する前に、「霧化」について書きます。

一般的には霧化と言われますが、正確には「微粒化」と言います。

微粒化とはなんでしょうか?下記のように定義されます。

「まとまった状態の物質が、細かな粒の集合体となること」

わかりにくいですね。

つまり、「分裂してバラバラになること」です。

以下、液体微粒化のイメージ図です。

1

微粒化は、学術的にも非常に面白く奥深い分野で、微粒化という学問における学会が存在し、世界中に微粒化の研究者がいらっしゃいます。

微粒化というと、液体の微粒化が想像しやすいですが、固体の微粒化も一般的で、粉薬や小麦粉など、粉の製法も固体微粒化の一つです。
ここでは、燃料が対象なので、液体微粒化として考えていきます。

液体微粒化の目的(工学的意義)は、

 1)総表面積の増大

2)液滴数の増加

3)液滴質量の減少

となります。

これだけでは、あまりよくわからないので、工学的意義を内燃機を対象にした場合、以下のような効果に繋がります。

1)総表面積の増大

→ 熱移動が容易になり、蒸発・燃焼・化学反応が促進される

  2)液滴数の増加

→ 筒内に燃料を均一かつ広い範囲に分布させる事が出来る

3)液滴質量の減少

→ 雰囲気との混合気形成が促進される

具体的な事例です。

液滴が分裂して、直径が10分の1になった場合、

1)総表面積 → 10倍

2)液滴数 → 1000倍

3)液滴質量 → 1/1000倍

以上より、燃料の霧化が良いというのは、より細かく分裂することを意味し、内燃機に対して良い影響を与える事がわかります。

上記より、微粒化という現象をご理解頂けたと思います。

次は、

「微粒化はなぜ起こるのか?」

についてです。

当然ですが、大きな液滴は何もなければそのまま大きな液滴として存在し、自然に分裂するものではありません。 分裂するには理由が有り、その理由を、微粒化要因といい、微粒化要因を引き起こすためには、エネルギーが必要になります。

そのエネルギーを、微粒化エネルギーといいます。簡単に書くと、「液体を分裂させるためには、なんらかの微粒化エネルギーが必要」ということです。

微粒化エネルギーの種類には、下記のような例があります。

・圧力

・熱

・振動

・電気 などなど

では、インジェクターにおいての微粒化エネルギーは何でしょうか???

もちろん答えは!!

「圧力」

です。

「燃圧を上げる」

→ 微粒化エネルギーの増加

    → 微粒化促進(霧化が良くなる)

やっと、燃圧と微粒化の話しにたどり着きました(汗)。

ここからが、本番です、、、が、すいません、時間が無くなりました。

今日は、ここまでとさせて下さい。

次回は、具体的にインジェクターにおける噴霧の微粒化過程と微粒化要因について書きます。

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