燃圧と噴射量と霧化(微粒化) その2
こんばんは、だいひょうです。
ちょっと時間が出来たので、時間の許す限り書きます。
先日書いた「燃圧と噴射量と霧化(微粒化)その1」にイイねをたくさん頂きありがとうございました。 イイねが多く付いて、驚いています。イイねが付くと、正直嬉しいもんですね!
今日は、「燃圧と噴射量と霧化(微粒化) その2」として
「燃圧を上げるとなぜ霧化がよくなるのか?」
について書いていきたいと思います。
まず、燃圧と霧化の関係を記載する前に、「霧化」について書きます。
一般的には霧化と言われますが、正確には「微粒化」と言います。
微粒化とはなんでしょうか?下記のように定義されます。
「まとまった状態の物質が、細かな粒の集合体となること」
わかりにくいですね。
つまり、「分裂してバラバラになること」です。
以下、液体微粒化のイメージ図です。
微粒化は、学術的にも非常に面白く奥深い分野で、微粒化という学問における学会が存在し、世界中に微粒化の研究者がいらっしゃいます。
微粒化というと、液体の微粒化が想像しやすいですが、固体の微粒化も一般的で、粉薬や小麦粉など、粉の製法も固体微粒化の一つです。
ここでは、燃料が対象なので、液体微粒化として考えていきます。
液体微粒化の目的(工学的意義)は、
1)総表面積の増大
2)液滴数の増加
3)液滴質量の減少
となります。
これだけでは、あまりよくわからないので、工学的意義を内燃機を対象にした場合、以下のような効果に繋がります。
1)総表面積の増大
→ 熱移動が容易になり、蒸発・燃焼・化学反応が促進される
2)液滴数の増加
→ 筒内に燃料を均一かつ広い範囲に分布させる事が出来る
3)液滴質量の減少
→ 雰囲気との混合気形成が促進される
具体的な事例です。
液滴が分裂して、直径が10分の1になった場合、
1)総表面積 → 10倍
2)液滴数 → 1000倍
3)液滴質量 → 1/1000倍
以上より、燃料の霧化が良いというのは、より細かく分裂することを意味し、内燃機に対して良い影響を与える事がわかります。
上記より、微粒化という現象をご理解頂けたと思います。
次は、
「微粒化はなぜ起こるのか?」
についてです。
当然ですが、大きな液滴は何もなければそのまま大きな液滴として存在し、自然に分裂するものではありません。 分裂するには理由が有り、その理由を、微粒化要因といい、微粒化要因を引き起こすためには、エネルギーが必要になります。
そのエネルギーを、微粒化エネルギーといいます。簡単に書くと、「液体を分裂させるためには、なんらかの微粒化エネルギーが必要」ということです。
微粒化エネルギーの種類には、下記のような例があります。
・圧力
・熱
・振動
・電気 などなど
では、インジェクターにおいての微粒化エネルギーは何でしょうか???
もちろん答えは!!
「圧力」
です。
「燃圧を上げる」
→ 微粒化エネルギーの増加
→ 微粒化促進(霧化が良くなる)
やっと、燃圧と微粒化の話しにたどり着きました(汗)。
ここからが、本番です、、、が、すいません、時間が無くなりました。
今日は、ここまでとさせて下さい。
次回は、具体的にインジェクターにおける噴霧の微粒化過程と微粒化要因について書きます。