最終回 ガソリンインジェクターの登場
こんばんは。営業の野本です。
『エンジンの歴史~インジェクターの登場まで~』
いよいよ最終回。ガソリン用インジェクターの登場までを紹介します。
『最終回 ガソリンインジェクターの登場』
前回、ディーゼル用としてまずは世の中に登場したインジェクターですが、ガソリンエンジンの燃料供給装置としてインジェクターが初めて採用されたのは、戦闘機でした。
それは、第二次世界大戦の時代です。
その戦闘機は、ドイツ軍のメッサーシュミットBf109-F1(図1参照)と呼ばれる機体です。単一の戦闘機としては、最も多い3万機以上が作られました。
エンジンは、ダイムラーベンツ製12気筒。従来のキャブレター方式では機体急降下時のマイナスの加速度において、数気筒失火する事象がありました。これは、戦闘機同士の戦いにおいて非常に不利になったため、直接燃料噴射式を採用し、ガソリン用として初めてインジェクターが使用されました。そのインジェクターには、ディーゼルインジェクターのノウハウのあるボッシュ製が採用されました。
クルマでは、1950年代にメルセデス・ベンツ・300SLにインジェクターが初めて採用され、こちらも戦闘機と同様に直噴システムでした。当時のインジェクターの画像が手元にないため、参考として、300SLの後継機種である280SL(図2)向け機械式インジェクターを図3に紹介します。
1960年代後半には、今のインジェクターとほぼ同じ電子制御式インジェクターが、フォルクスワーゲンタイプ3に量産車として、世界で初めて採用されました。タイプ3のインジェクターについては以前に紹介しています。
http://www.irs-japan.com/?p=3243
今では、クルマとバイク等を含め、ほとんどのガソリン車に電子制御式インジェクターが採用されています。
図1の出展: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%83%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%9F%E3%83%83%E3%83%88_Bf109
図2の出展: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%83%87%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%84%E3%83%BB300SL
全6回に渡り、掲載してきました『エンジンの歴史~インジェクター登場まで~』ですが、今回が最後です。最後までお読みいただきありがとうございました。
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